東京国立近代美術館フィルムセンター相模原分館映画保存棟IIにおける映画フイルムの取り扱いについて

摘要

2011年3月に竣工した東京国立近代美術館フィルムセンター相模原分館映画保存棟IIは、1986年竣工の既存棟（映画保存棟I）における映画フイルムの安全保護·長期保管を目的とした環境設定と運用方法を継承しながら、より効果的·効率的な目標実現と作業上の機能を重視した設計を施している。本講演では、映画保存棟IIの概要と温湿度設定の方針を説明するとともに、保存棟の設計及び映画フイルムの取り扱い上とりわけ重要となる、保存庫内の低温低湿維持と、フイルムの出入庫に伴う結露防止対策としての温湿度調整について考察する。