多相リートベルト解析を利用したLaO_(1.5)-SiO_2－MgO擬三元系状態図の解明

摘要

本稿はアルカリ土類金属酸化物を固溶したオキシアパタイト塑ランタノイド·シリケート相を含む擬三元系組成状態図の解説である.アルカリ土類金属酸化物を固溶したランタノイド·シリケートは鉱物学分野において，人工合成アパタイトの研究として結晶構造解析から始まった.擬三元系組成状態図についてはボルトランドセメントによる放射性廃棄物固定化の研究としてNd_2O_3－SiO_2－CaO系の一部の組成領域に関する報告，Si_3N_4の焼結助剤研究として類似系のY_2O_3－SiO_2－MgO系の報告がある.決してスポットライトを浴び続けてきた材料ではなかったが，近年，オキシアパタイト型ランタン·シリケートの新しい機能が発見されて急速に注目される材料に変貌した.