円盤状堆積層試料を用いた圧密·浸透連成試験によるメタンハイドレート堆積層における絶対浸透率の定式化--メタンハイドレート貯留層の浸透率評価に関する研究（第5報）

摘要

本報では，円盤状模擬堆積層試料を用いて，層内で水平の放射状流を形成させることによるMH存在下での浸透率の実験的評価手法を確立するとともに，放射状流を用いた圧密·浸透達成試験を実施し，圧密時の変形挙動ならびに浸透性変化に関する一連のパラメータを取得した。 そして，解析的検討を通じてMH飽和率に加えて孔隙率の関数としてのMH唯積層における絶対浸透率の定式化を行った。 得られた結果をまとめると以下のようである。 （1）放射状流の浸透率測定実験では，MHが十分に成長した飽和率0.300付近の絶対浸透率比は0.100程度であり，飽和率の増加に伴う浸透率の減少の度合いについては従来の1次元流動の結果と同様の傾向を示した。 よって放射状流の実験はMH存在下での浸透率評価に有効である。また，絶対浸透率の定式化におけるMH飽和率項は，流動パターンに依らず共通して取り扱うことが可能であることを確認した。