アゼルバイジャン共和国における科学技術政策の概要

摘要

1999年から始まった石油価格の高騰はこれまで、単一商品依存型の経済構造をもっていた小国アゼルバイジャンに大きなフォローウインドとなった。 アゼルバイジャンは1991年のソ連邦からの離脱と独立以後、急激な経済改革による高インフレや経済の後退を経験したのみならず、隣国アルメニアと1993年にナゴルノ·カラバフ地区（アゼルバイジャン領）をめぐる紛争を経験し多数の犠牲者と難民の発生を経験し、これらは今なお経済の抜本的な改善に足かせとなっている。 そして今、油価の上昇はこの国に明るい展望を与えている。 昨年からはじめられた石油ファンドの資金量も順調に拡大（現在3億ドル、来年は10億ドルを予定）しており、財政面での明るい兆しが見られる。 アゼルバイジャンは今世紀のみならず、前世紀からすでに石油に大きく依存した経済構造をもっており、これに関してさまざまな投資が行われてきた。