排尿 高齢者における不適切な排尿管理を防止する

摘要

2002年に日本排尿機能学会が行つた下部尿路 症状に関する疫学調査により，60歳以上の男女 の78%が何らかの排尿の問題を抱えていること が明らかとなった.下部尿路障害に対する診断-治療の進歩や啓発により，下部尿路機能障害以外 はおおよそ健康であり，通院可能な高齢者は，専 門的な検査?治療の機会を得ることは容易であ り，良好な治療効果が得られる.他方，老人施設 入所，あるいは在宅看護を受けている虚弱高齢者 については，下部尿路機能障害の頻度は高いにも かかわらず，十分な評価や治療を受ける機会を得 られず，安易なおむつ使用や尿道カテーテル留置を受けていることが少なくない.