編集後記

摘要

映画俳優の原田芳雄が7月19日に，肺炎のために死去した。遺作となってしまった『大鹿村騒動記』を見て，あらためて惜しい役者をなくしてしまったと残念でならない。原田芳雄は『反逆のメロディー』（沢田幸弘監督）から，上映されるたびに見ているが，まさに時代とともに全力で駆けぬけた俳優に思える。新宿が沸騰していた時代に暴れまくる『野良猫ロック暴走集団'71』（藤田敏八監督），内田百閒の「サラサーテの盤」を原作とした不可思議な世界を描いた『ッィゴイネルワイゼン』（鈴木清順監督）など，魅惑された映画は切りがない。彼が，なくなって，われら団塊世代の幕引きと感じたのは小生だけだろうか。