CO_2からの非ホスゲン法ポリカーボネート樹脂

摘要

旭化成は，世界で初めてのCO_2を原料とする非ホスゲン法ポリカーボネート（PC）製造プロセスの開発に成功し，その工業化を奇美実業（台湾）との合弁で成功させた。 非ホスゲン法は，モノマー合成と重合工程での技術の壁が厚いため，これまで工業化は殆ど成功していなかったが，旭化成は長期にわたる研究開発の結果，世界に誇り得るブレークスルーを成し遂げた。 この新プロセスは，ホスゲン法の持っ環境面での課題を克服しているだけでなく，高純度·高性能のPCを安価に製造できる。 本プロセスで製造されたPCは，これまでのPCと同様に広範な用途で使用されており，特に塩素系不純物を含まず，低オリゴマー含有量等の特徴を有している。本技術で，2003年GSC賞（経済産業大臣賞），日化協技術賞（総合賞），化学工学会賞を受賞した。 現在，旭化成は地球環境への寄与を目的に本技術のライセンス活動に注力している。