グローバル生産とマザー工場広がる世界生産と変化する工場の位置づけ

摘要

自動車生産のグローバル化に伴い、マザー工場としての日本の立ち位置が問われている。日本の自動車産業にとって、海外生産の比重が増すと共に、国内ラインアップにはない海外専用モデルが各地で育ってきているからだ。日本のマザー工場位置づけは、まず日本市場で立上げ、その後世界の地域ごとの仕様に合わせて現地生産化を図ってきた歴史がある。しかし、海外市場の成長に加え、国内は少子高齢化·人口減の影響から新車市場は縮小し国内へのモデル投入は減少、海外専用モデルの比重が高まっている。初めての生産が海外工場であり、その派生モデルもまた海外工場という国内工場が関与しない商品の拡大だ。その影響は完成車メーカーだけでなく、海外工場に納入するサプライヤーの現地工場にも影響する。サプライヤーにとっても国内工場が関与することなく、海外現地工場が生産することになるからだ。それだけに、様々な生産ノウハウを提供することを位置づけられてきた日本のマザー工場は、自ら該当する部品を生産することなく指導する役割が求められることになる。はたしてこうした責務を果たすことが可能なのか、国内工場の立ち位置が変わろうとしている。