山之内製薬におけるDDS研究の取り組み

摘要

製薬企業におけるDDS技術の役割は、製品価値の最大化である。 すなわち、化合物の欠点をカバーすることによる創案スピード確度への貢献であり、既存薬物の臨床効果増強 副作用軽減 利便性向上を目的とした追加剤形上市によるマーケットの拡大および製品寿命の延長(ライフサイクルマネージメント)である。 さらにDDS技術はEnabling technologyとして遺伝子治療等の先端医療にブレークスルーをもたらすとの期待もある。 以上よりDDS技術自体がビジネスの機会を有すると考えられるものの、こと日本においては、この様なDDSビジネスを促進する環境は必ずしも存在しておらず、製薬企業が有するDDS技術を積極展開させる機会は少ないのが現状である。