月経困難症の治療薬(EP配合薬)が発売されて いますが，特徴を教えてください。 特に，子宮内膜症と推定されている患者さんに 投与する場合の注意点はありますか？

摘要

現在わが国では，ルナベル~Rとヤーズ~Rという2種類のEP配合薬が機能性月 経困難症を適応として承認されている。いずれもエストロゲンとしては同じェ チニルエストラジオールを含有しているが，その量はルナベル~Rでは従来の低 用量経口避妊薬(OC)同様の35mugであるのに対し，ヤーズ~Rは20mugとさらに低用量になっている。またプロゲスチン（合成プロゲステロン）として，ルナベル~RがノルェチステロンというC-19テストステロン誘導体をlmg含有しているのに対し，ヤーズ~Rはドロス ピレノンというスピロ ノラクトン（カリゥム保持性降圧利尿薬）の誘導体を3 mg含有と全く異 なっている。雨製剤でのェチニルエストラジオール量にはかなり差があるが，いずれにせよか なり低用量である。これが治療効果や副作用などに影響しているという明確なェビデンスはな い。含有プロゲスチン量の違いは，プロゲステロン受容体との結合力の差（ドロスピレノンは ノルェチステロンの半分程度のプロゲステロン活性を有する）によるものである。