本邦におけるィヌの表層点状角膜炎

摘要

1996年にフランスのClercらにより報告された点状表層角膜炎（superficial punctatekeratitis, SPK)は、再発性、両眼性、小円形で多発性、表層性の角膜混濁を特徴とし、ロン グ.ヘアード、ミニチュア.ダックスフンドに好発する[1]。角膜の混濁はフルォレセイン 染色で染色されることがあり、染色される場合 には眼瞼痙攣や流涙などの不快感を示すこと がある[1-4]。この疾患の病因は免疫介在性 であると考えられており[1，2，4]、また、紫 外線（UV)が疾患を悪化させることがあると 考えられている[1，2]。治療にはシクロス ポリンの局所投与が推奨されているが[2，3]、 コルチコステロイドの局所投与も有効である [1，4]。Clercらの報告以降にSPKの報告はないた め、この報告では本邦におけるSPKの10症 例について概要と特徴を記述し、Clercらの報 告との比較検討を行った。