造血器悪性腫瘍と止血凝固異常

摘要

造血器悪性腫瘍には組織因子(TF)やプラスミノゲンァクチベータ(PA)の異常発現があり，これらの因子により止血異常をきたす. 造血器悪性腫瘍に伴う止血異常により，播種性血管内凝固症候群(DIC),静脈血栓塞栓症(VTE)ならびに血栓性微小血管障害(TMA)の合併を認める. 造血器悪性腫瘍の病型により，DICなどの止血異常症の頻度は異なる. 感染症，血管内皮細胞障害ならびに化学療法も，造血器悪性腫瘍の止血異常に影響する.