[第1部]戦艦•巡洋戦艦

摘要

第2次大戦開戦時の英主力艦は戦艦12隻と巡洋戦艦3隻で，新戦艦のキング•ジョージ5世級5隻は建造途中だった。軍縮条約下での新造戦艦ネルソン級2隻以外は艦齢19～24年の第1次大戦型で，戦間期の改造は小規模に止まった。航空機，潜水艦などの発達に応じて，1934年頃から巡洋戦艦と優速な戦艦への近代化大改装が始まったが，開戦時には巡洋戦艦1隻とクイーン•エリザベス級戦艦1隻が改装済み，同級の2隻が工事中で，他の艦は実施の機を逸している。第2次大戦での英主力艦の戦歴には独伊戦艦との交戦もあったが，優速艦による独艦海上交通破壊戦の阻止，近代化改装艦や新戦艦での機動部隊直衛，主に低速戦艦を用いた船団護衛や上陸作戦支援などの任務が多かった。大戦中の戦没艦は戦艦3隻と巡洋戦艦2隻である。ライオンLion級新戦艦は建造中止とされ，戦時建造戦艦ヴアンガードVanguardの完成は戦後になリ，終戦時の勢力は戦艦14隻と巡洋戦艦1隻で,新戦艦以外の多くは第一線任務を退いていた。