揚陸作戦艦艇

摘要

大戦時に米海軍が使用した雄作戦艦艇は多岐にわたるが,ここでは貨物船をべースとしたものを除いて，その全タイプを取り上げる。米海軍の揚陸作戦艦艇の研究は1930年代初期より試行錯誤を重ねていたが，やはり戦前は予算等の問題もあって小規模な輸送艦の整備などが行なわれる程度にとどマまっていた。だが第2次大戦開戦後，夭陸反攻の必要から英海軍とともに揚陸作戦艦艇の研究が進み，戦車揚陸艦や大型火力支援艇をはじめとする各種の新世代の揚陸作戦艦艇が整備されるようになった。また敵の勢力下にある地点への強行輸送などに使用する高速輸送艦や大規模な上陸作戦に対応できる大きな兵員•貨物輸送能力を持つ攻撃輪送艦などを含めて，他艦種からの揚陸作戦艦艇への改装も推進される。そしてこれらの揚陸作戦艦艇は，アメリカの巨大な生産力に支えられるかたちで大量整備がなされ,太平洋および欧州戦域での大規模作戦に必要とされる数量が確保されることになった。