3％以下の成長率に減速する2011年の世界紙・板紙需要

摘要

RISIのヤング氏は先頃、マサチューセッツ州で「2011年の米国紙パルプ産業展望」をテーマに、興味深く示唆に富む講演を行った。以下はその要旨である。　2010年に世界の紙パルプ市場が08年から09年前半にかけての深刻な不況を脱し、急速な回復に向かっていたのは疑いもない事実だ。われわれの最新予測では、今年の全世界需要は過去最高を記録した07年を約200万fも上回り、09年との対比では7％増加する。需要の増加に伴い、全製品の価格は09年の低水準を脱して上昇した。特に原材料では木材パルプと古紙の値上がりが目についた。この原料価格の上昇は、供給過剰状態にあった品種の価格をも押し上げていった。その結果、米ドル安を警戒して価格をドル建てにしていた品種の価格も下支えされた。