高付加価値化と差別化が求められる紙パの研究開発〈1〉

摘要

紙パ業界の2010年度は販売数量の低迷と価格の軟化、原燃料コストの上昇が収益の圧迫要因となった。もともとの先行き不透明感に東日本大震災の影響も加わった11年度は、かつてない厳しい経営環境の下でスタートしている。国内マーケットの飽和と円高による輸出採算の悪化という逆境の中で新たな成長原資を見出していくためには、長年にわたり蓄積してきた技術力やノウハウをベースに高付加価値化と差別化を進めることで自らの優位性を確保しなければならない。