自然エネルギーの出力変動対策になる「Power to Gas」

摘要

日本では今年から燃料電池車が登場したが、ここで使われる水素を完全に二酸化炭素(CO_2)フリーにするには、水から水素をつくることが望ましい。しかし、そのためには水の電気分解を行う必要があり、現状ではコスト高を免れない。ところが太陽光や風力発電では天候により出力が変動し、気象条件がよいと出力が過剰になり、電力系統に悪影響を及ぼすので出力を抑える必要がある。そこで、この余剰電力を用いて水の電解を行えば、コストの安い水素の生産が可能で、さらにこれをCO_2と反応させてメタンにすれば天然ガスに代わる燃料となる。これは本来は無駄になる余剰電力でつくった燃料であり、電力からつくったガスという意味で"Power to Gas"と呼び、電力の出力変動の有効な対策としてドイツでは最近、急速に広がりつつある。今回は、そうした状況についてまとめてみた。