回収量のシェアが低下する米国、輸入依存度が4割を切った中国

摘要

本誌2014年11月24日号では世界各国•地域の紙パルプ需給について、主として「紙•板紙」製品を中心に概観した。今回は同様の手法で原料の「古紙」について取り上げる。2013年の世界古紙需給は回収量が前年比0.6%増の2億3,286万t、利用（消費）量が同1.5%増の2億3,418万tとなった。回収量の伸びが鈍化しているのは、同年の紙•板紙生産が0.8%増と控えめだった影響。また消費量の伸びも決して高いわけではないが、同年のパルプ消費量が1.1%減だったことを勘案すれば健闘した方で、パルプから古紙への置き換えは13年も着実に進んだ。古紙を優先的に使うという流れは経済性の面からも、また社会的な要請の面からも世界各国で定着している。この結果、世界の古紙利用率は13年も引き続き上昇し、前年比+0.7ポイント（pt）の54.5%に達した。ただし回収率の方は前年をわずかながら下回り（△0.1pt）、57.7%にとどまっている。