損益面では大きな差が出た印刷中堅の2015年度決算

摘要

前号に続いて印刷各社の2015年度業績を取り上げる。今回は中堅どころが並ぶが、このクラスは上に売上高1,000億円を射程に入れる準大手から、下は年商50憶円に満たない小規模企業までバラエティに富んでいる。各社とも長年にわたり収益を支えてきた汎用オフセット印刷（輪転/平台）が緩やかな下降局面に入る中、それを補完する新たな事業領域の開拓に注力しているが、成功裹に進めているところとそうでないところの明暗差は大きい。なお本誌前号では、印刷15社の単純合算べースによる2015年度業績を売上高3兆3,543億円（前年度比△1.1%)、営業利益1,149億円（同+8.8%)で利益率3.4%と紹介したが、2大印刷を除いた13社べースでみると売上高4,237億円（+5.2%)、営業利益209億円（+26.4%)で利益率4.9%と、大きくスケールダウンするものの内容はむしろ良化する。これによっても規模と収益性は必ずしも連動しないことが分かる。