輸入カットサイズ紙への関税賦課を最終決定した米国際貿易委員会

摘要

米国際貿易委員会(ITC)は海外5ヵ国から輸入されるカットサイズ上質紙に対し、幅広い税率の賦課措置を全会一致で承認した。この措置で米国メーカーには競争力の面で多少の余裕が出たようだが、絶対に安心とは言えない。米国のカットサイズ紙輸入は2011～14の4年間で+70.4%増加していたが、15年は前年比△28.5%の29万400tに終わった。この急減は、商務省が同年6月と8月に決定した暫定的な反ダンピング関税(ADD)と相殺関税(CVD)の賦課によるものだ。この関税はオーストラリア、ブラジル、中国、インドネシア、ポルトガルのメーカーを対象としたもので、世界の10大カットサイズ紙メーカーのうちAPP、ポーチュセル、APRILの3社を巻き込んだ。暫定関税の賦課措置によってオーストラリア、中国、インドネシアからの輸入品は全滅した。