印刷媒体が復権しデジタル版が落ち込む北米の書籍市場

摘要

北米の書籍用紙メーカーは10月1日からt当たり35 ドルの値上げを実施するとしているが、これは米国勢調 査局の発表による2017年前半の書籍販売が前年比+ 0.2%の50億6,000万ドルと好調だったことを受けての行 動だ。これはわずかな増加にすぎないが、世界の書籍 市場における電子媒体との販売競争で、印刷媒体が着 実に復権しつつあることを物語っている。一方、プライスウォーターハウス·クーパーズの予 測によると、世界の書籍市場は2016年の1,148億ドルが 20年には1,210億ドル程度まで増加するという。ただし、 この中には書籍用非塗工上質紙の売上高は含まれてい ない（書籍用紙大手のドムターは先頃、非塗工上質紙 のセグメントから非塗工書籍用紙を除いている）。全米 林産物製紙協会が発表した今年1~7月のデータによ ると、米国の書籍用紙出荷量は通年で63万7,500tに達 する見込み。その構成比は上質コート紙32%、非塗工 上質紙29%、中質紙25%、中質コート紙14%という。