M & A効果で売上高の大台乗せが多い紙パの2017年度業績予想

摘要

製紙関連各社の2016年度決算が出揃った。うち製紙7社の業績を単純合算すると、売上高は前年比△0.3％の3兆5,453億円と微減ながら、営業利益は同+1.7％の1,412億円と増益で利益率は3.98％となっている。内訳は、増収·営業増益が北越紀州製紙1社のみで、増収·営業減益が王子ホールディングス、大王製紙の2社、減収·営業増益が日本製紙、三菱製紙、中越パルプ工業、特種東海製紙の4社である。減収·営業減益は1社もなかった。前年度をベースとした比較ではなく営業利益率でみると、高い順に特種東海6.06％、大王4.93％、北越紀州4.92％、王子HD4.90％、日本2.39％、三菱2.14％、中パ1.59％となる。現在、洋紙·板紙とも価格修正作業が進行中なので、2017年度業績については不透明なファクターが多いが、同じ7社ベースの単純合算予想は売上高が+6.1％の3兆7,614億円、営業利益が+6.6％の1,506億円と増収·営業増益で、利益率は4.00％。売上高については数社が大台到達の予想を出しており、例えば王子HDは1兆5,000億円、大王は5,500億円、また非製紙部門のウェイトが高いレンゴーは6,000億円、リンテックは2,500億円を見込む。いずれもM & Aが大きく寄与しており、新事業分野への進出と並ぶ大きな成長エンジンになっていることが分かる。