コロナショックが明らかにした世界の構造と日本の立ち位置

摘要

宇宙から見た地球が青いというのは宇宙に出て初めて分かることで、物事の本質や実相を把握するには対象から少し距離を置いて俯瞰する必要がある。同じように、ある重大な出来事が持つ意味は、起こった直後より時間が経過してからの方が本質をつかみやすい。新型コロナウイルスの感染拡大は、その象徴的な例だろう。年明け早々から2～3月頃までは、この世界的大流行が地球と人間社会にとって何を意味するのか、よく分からないまま日々の対応に追われていた。それから8〜9カ月が経過し、世界的な感染拡大は今なお続いているものの、このコロナ禍が何をもたらしたのか、初期の対策にはどのような効果と限界があったのか、今後いかなる事態を予想しなければならないのか——などを冷静に検証し対策を打ち出していける土壌が整いつつある。