紙•板紙の利点を多くの人々に再評価してもらう年にしたい

摘要

ついこの間、平成の時代が終わったと思ったら、もう令和の2年目である。歳月や時間の体感スピードは加齢とともに速くなると言われるが、まさにそうで、これも一種の相対性理論なのだろうか。1月20日には恒例の紙•板紙内需見通しが日本製紙連合会から発表される。今年は内需が過去最多だった2000年（3,200万t)から20年という節目に当たる。この間、内需は右肩下がりを続け、2018年時点では00年対比640万t減の2,560万tという実績になっている。2020年は世界最大のスポーツイベント、オリンピック•パラリンピックが東京を中心に開催されるので、物流用途としての段ボールはもちろん、インバウンド需要関連で衛生用紙、また落ち込みの激しい新聞用紙や印刷•情報用紙も含め、内需の底上げが多少なりとも期待できるのではないか。その意味で、今年の内需見通しがどのようなものになるか、例年にも増して注目される。もっとも、いくら世界最大とはいえイベントは所詮イベントであり、一過性のものに過ぎない。問題はこのオリパラを契機に、改めて紙•板紙の持つさまざまな利点を多くの人に理解•納得•共感してもらうこと、そのための取組みを継続していくことではないか。さらに言えば、ポスト•オリパラをどう乗り越えていくかというのは日本全体の課題であり、祭りの後の虚脱感に陥ることなく、オリパラを契機に顕在化する（と思われる）さまざまな課題を解決する年にしていきたいものだ。