増益基調を背景に構造転換投資ち積極化させる製紙決算

摘要

前号に続いて製紙関連企業の2018年度決算を取り上げる。製品価格の改定を実現したにもかかわらず原燃料コストの上昇が収益を押し下げるという構造は各社に共通しているが、それぞれの事業領域や基盤によって、その影響はー様ではない。2019年度から王子ホールデイングス、三菱製紙、Ei11製紙所が3ヵ年の新中計をスタートさせたほか、他社も中計の2年目あるいは最終年度を迎えている。「革新的価値の創造」（王子HD)、「新しいステージに立った事業基盤の強化と多様化」（三菱)、「成長軌道への回帰を盤石化」（巴川）など掲げるスローガンや基本方針はさまざまだが、外的環境の激変にも耐え得る強靱な収益体質と事業構造への転換を目指すというべクトルは各社に共通している。