パルプ高や米ドル安を背景に値上げが進むアジアの上質紙

摘要

東南アジアの上質紙価格は1〜3月期も高騰を続けた。3月時点で非塗工上質紙がt当たり845〜20ドル、上質コート紙価格は同750〜810ドルで取引されている。業界関係者によると、用紙価格上昇の背景にあるのはパルプ価格の高騰で、製紙メーカーは市販パルプ業界の大幅な減産体制をテコに用紙の高値相場を維持しているという。このほかの要素として、東南アジア通貨に対して米ドルが比較的安値で推移していることも、現地で値上げが比較的受け入れられやすい環境を醸成している。さらに関係者が伝えるところによれば昨年来、中国からの東南アジア市場向け用紙輸出が減少している。老朽化した中国製のマシンが環境問題や効率性を理由に大量廃棄され、輸出余力が低下しているからだ。