土木構造物のひび割塗と補修·補強技術

摘要

戦後に建設された土木構造物(インフラストラクチャー)は，安全，安心，快適な社会を築いてきたが，建設後50年を経過する構造物が増加し，補修·補強を必要とするとの指摘がある。いまだに健全な構造物もあるが，すでに使用制限を受けている構造物も多い。これは永久構造物と考えられていたコンクリート構造物の劣化に起因しているが，環境条件が厳しくなってきたことも否めない。 例えば，スパイクタイヤが禁止され，スタッドレスタイヤの普及により凍結防止剤の使用量が増加したことは，鉄筋コンクリート構造物の塩害を助長した。酸性雨の影響もある。これらの環境変化により，インフラの劣化が増加していると指摘されている。土木構造物に生じるひび割れはこれらの結果として多発していると言える。