2017 「青少年のための科学の祭典」東京大会in小金井への真空実験の出展報告

摘要

今回，初めて2017「青少年のための科学の祭典」東京大会in小金井に展示団体として参加し，数多くの子どもたちやその保護者らに真空排気の体験や真空実験の観察をおこなつていただいた.これまでにも真空展などで演示実験をおこなってきたが，数多くの子どもたちを相手に真空実験を見せることは今回が初めてであった.子どもたちには予備知識がないため，何が起きているかをきちんと理解することはできていないとは思うが，知識がないためにかえって真空で起きる不思議な現象を純粋に受け止めて驚き，心に強く印象づけられたと感じた.これらの驚きの体験を通して子どもたちが「真空」に少しでも興味を持ってもらえたとしたら今回の展示の目的は十分に遂げられたと言えるのではないかと思う.また，高校生や大学生のボランティアが説明員として参加してくれたが，彼らにとってもほとんど初めて目にする現象であり，その新鮮な驚きを持ったまま説明をおこない，子どもたちに教えながら彼ら自身も次第に理解を深めていっているように思えた.このことも今回の展示の教育効果のーつであつたと言える.来年日本真空学会は日本表面科学会と合併し，日本表面真空学会となる予定であるが，今後もこのような真空に関する啓蒙活動を続けていくことは非常に大切であると思う.