海外文献速報

摘要

吹付けコンクリートでもっとも頭を悩ます点は，湿式と乾式のどちらを採用するかにある.湿式と乾式はどの点が異なり，どのような長所短所を持つかを本報ではまとめている.湿式と乾式との違いは，練混ぜ水の添加過程の違いにある.湿式では，ポンプ投入前に練混ぜ水は混入されており，圧縮空気は投射用にノズルにおいて添加される.乾式の場合練混ぜ水は，圧縮空気によりマテリアルホース内を圧送されたコンクリート材料にノズルで添加される.吹付けられたコンクリートの役割は両者とも変わらない.吹付けコンクリートは，1900年代初頭剝製師であるCarl Akeleyが標本の中身を充塡させる方法として開発し，後に古い建物の修繕方法として"ガナイト(gunite,乾式ではこのように称される場合が多い)"が誕生した.1950年代まではポンプの性能が未発達であったため，湿式は登場してこない.