ダイナミックマップの研究開究•事業化状況

摘要

2014年度より，内閣府SIPの一つとして，自動走行システムの研究開発（SIP-adus)が行われている。この中の協調領域の一つとしてダイナミックマップに関する研究開発が行われている。さらには，SIP-adusにおける研究開発成果も踏まえ，ダイナミックマップ基盤株式会社が設立され，本格的な事業も始まりつつある。本稿では，ダイナミックマップに関する研究開発および事業化の概況を整理する。研究開発としては，2017年度より大規模実証実験を開始し，海外の主要自動車メーカ,大手自動車部品サプライャなど約20機関が参加し，750 km超の試作地図を用いた検証を行っている。また，公共測量への適用可能性具体化など，ダイナミックマップの自動走行以外の分野での利活用へ向けた検討が行われている。事業化へ向けては，2016年の企画会社立ち上げを踏まえ，2017年にダイナミックマップ基盤株式会社が設立され，2018年度中には約3万kmに及ぶ国内高速道•自動車専用道の高精度3次元地図データを整備する予定としている。また，海外との連携•協調へ向けて,積極的な国際標準化活動が行われている。