生活道路第3回「生活道路における安全対策の実践」

摘要

近年，生活道路の安全対策は全国各地で積極的に取り組まれている。この背景には，幹線道路では関係各機関の安全対策の取組みにより事故が大幅に減少しているが，生活道路の事故の減少率は低い状況にあることなどから，内閣府の第10次交通安全基本計画（平成28年3月制定）では重点的に対応すべき対象として歩行者および自転車が多く通行する生活道路の安全確保をあげている点がある。このため，国土交通省では生活道路の安全対策に対し，「凸部.狭窄部及び屈曲部の設置に関する技術基準」(以下，技術基準）を策定するとともに，ETC2.0等のビッグデータの分析，交通安全診断を行う有識者の斡旋などの技術的支援をしている。また，本講座の第2回で紹介があった「改訂生活道路のゾーン対策マニュアル」(以降，対策マニュアル）が(一社）交通工学研究会から発行され，全国の行政担当者や民間技術者等が安全対策に取り組みやすくなつたことも背景にある。