境界梁のねじれ剛性を考慮した床スラブ設計用曲げモーメント式の提案

摘要

現行のスラブの算定式·算定図表"めの境界条件にはピン，固定，自由がある。図1のAの梁位置のように，両側にスラブがあり，それぞれのスラブの曲げ変形により梁がねじれ変形していないと考えられる場合，両側のスラブのAの梁位置の境界条件は固定と考えられる。しかしBの梁位置では片方にスラブがないため，梁はねじれ変形することになり，境界条件はピンでも固定でもない。このようなスラブをRC規準1)2)で安全側に設計する場合，計算図表を用いて固定と単純支持の大きい方の曲げモーメン卜で計算することになる。あるいは，RC規準りには"スラブが剛な梁に剛接される場合には，一応その辺では固定された平板として扱われる"という文言の"剛な梁"を明確にしないまま，Bの部分の境界条件を固定として設計する場合もある。一方，計算図表を用いるのではなく，スラブの応力状態を有限要素法により解析する例もある。この場合，Bの梁位置でのスラブの曲げモーメン卜の低減を，固定時に生じる曲げモーメン卜の0.6倍が発生すると考える曲げ戻しをしているようだが，境界辺にわたつて一定値の0.6倍としてよいのかも不明である。