鋼構造実建物のひずみ計測に基づく応力負担推定

摘要

近年、実建物のモニタリングが着目されており、徐々に実施例も増えてきている。これら既往実施例の多くは、床加速度応答の計測により、建物の固有周期や減衰、変形量などを推定するもので、建物全体の応答挙動や振動性状の把握には有益である。しかし固有周期や減衰は、質量分布にも依存するため、必ずしも直接的に構造骨組の性能を評価しているとは言いがたい。また個別構造要素の塑性化や破断などの損傷を評価することは難しい。