株式会社豊田中央研究所機械一部パヮトレ制御研究室: パワートレーンの開発プロセス革新を目指して

摘要

当所は省資源，省エネルギー，環境保全，安全性の向上などを目指した基礎研究により，トヨタグループの事業展開，および人類の永続的な繁栄に貢献するべく設立された研究所である.現在の従業員数は約1000名で，機械，電気電子，材料.システム，情報など多岐にわたる分野で研究活動を行っている.著者の所属する機械一部では，自動車のパワートレーン（エンジン，変速器，モーターなどを含む動力伝達装置）をおもな研究対象としている.年々強化される排気規制への対応や燃費の向上のため，パワートレーンのシステム構成は複雑化のー途をたどっており，また，走行性能や心地よい音色の実現といつた要求も同時に高まつている.ゆえに，パワートレーンの開発ではこれら複数の要求を高度にバランスさせるハードウェアシステム，および制御システムの構築が求められる.そのー方で，多様化するニーズに対応するバリエーション展開を実現するために開発期間の短縮も必要とされており，効率的な開発プロセスへの革新が喫緊の課題となっている.