エアロゾルデポジション法による圧電厚膜形成技術と振動発電デバイスへの応用

摘要

本解説では機能性材料として圧電材料を取り上げ，厚膜形成技術の新しいアプリケーションの例として我々が開発を進めているエネルギー関連デバィスの研究成果を紹介する。圧電材料は機械的•電気的エネルギーを高効率で変換することが可能な機能性材料である。圧電効果は材料の電気分極の大きさが外部から加わる応力により変化し，また電場印加により格子歪を生じる現象であり，センサゃァクチュエータとして応用することが可能である。圧電材料の固体そのものの変化を直接利用することが可能なためデバイスを小型にできるという特徴を有している。身近な例ではスマートフオンなどに搭載されているカメラのォートフォーカス機構やレシーバ,高速高精細な印刷が可能なィンクジェットプリンタのへッド,産業用途では精密位置決め用ァクチュエータ，マスフローコントローラ，超音波洗浄，医療分野での超音波トランスデューサ，自動車では，ディーゼルエンジンの燃料の精密噴射用ァクチュエータなどに応用され現代の技術社会を支える重要な部品となっている。