大規模データベースオンラインモデリングのクロスプラットフォームシステムの開発と高速化

摘要

近年，鉄鋼業の製銑分野では，高炉設備の大型化と良質原燃料の枯渇に伴い，以前よりも操業不調を発現させる要因が増加しているため，高炉操業を予測し，現場の操業を支援するシステムの開発が求められている。一方で大規模な測定データから局所的なモデルを構成することによって操業予測を行う手法として大規模データベースオンラインモデリング（LOM）が提案されている。本論文では，既存のLOMシステムを汎用データベースとJavaを用いてコンピュータ環境に依存しないというクロスプラットフォームなLOMシステムとして再構築を行い，さらに，LOMの処理速度向上を実現するために，ソート技術と予測変数に対する寄与率を用いて検索方法の改善を試みた。高炉操業における溶銑温度の予測を行い，その有効性を検証した結果，予測精度を低減させることなく，処理時間の削減を実現した。