1試料による正弦半波衝撃パルスを用いた簡易衝撃強さ試験方法の提案

摘要

緩衝包装設計の適正化のためには、内容品の許容加速度を数値的に把握する必要がある。JISにはその試験方法が規定されているものの、複数の試験サンプルや台形波パルスが必要な専用試験機が必要となるため、産業界に広く普及していない。そこで、JISよりも容易な方法で、正弦半波パルスを用い1試料のみでも衝撃強さ試験が行える方法について検討した。ここでは、試料数を削減するため許容速度変化試験をスキップさせるかわりに、製品の許容速度変化を、実用上有効な範囲のなかで最小値を採用することで、より厳しい条件の損傷境界曲線を見積もることができることを明らかにした。さらに、許容加速度試験の正弦半波パルスから算出される衝撃応答スぺクトルと許容速度変化から、破損部位の固有振動数と限界加速度を同定することで、正弦半波パルスから損傷境界曲線を導出する方法を考案した。許容加速度の決定は、損傷境界曲線と包装落下試験の落下高さから、適切な値が得らえるように設計した。さらに、最も安全な許容加速度を得るための方法として、矩形波からなる損傷境界曲線を用いた方法も含めた。