柳澤保恵と統計: 国際統計の推進者

摘要

は、徳川時代、5代将軍綱吉の側用人であった柳澤吉保の後裔である。柳澤家は明治維新後、華族に列せられ伯爵を授けられた。保恵は明治26年10月、22歳で家督を継いで、伯爵となった。明治37年には貴族院議員に選ばれ政界活動、財界活動など多面な事業を展開したが、彼の生涯の活動の中心に統計があった。柳澤は国際統計協会の正会員とかり、国際的な統計活動を展開したほが、国内では国勢調査の実現、統計制度の改革などに尽力した柳澤の統計活動は一見して殿様の道楽のように見えるが実態はそうではない。柳澤は真面目に、熱心に、そして私財をもなげうって統計の発展に尽力した。明治時代後半から昭和時代前半までの我が国の統計の発展に果した柳澤の役割は大きいと言える。