歴史の中の統計学(7): 統計学以前の統計学(1)政治算術

摘要

政治算術の生みの親であり、名づけの親でもあるのはウィリアム・ペティWilliam Pettyである。彼は1623年ィングランドハンプシヤー州の織元の子として生まれた。彼は貧しい家の出身だったので、小さい時から手工業の職人の仕事を知り、また数学、実用幾何学と天文学の知識を習得した。14歳頃、商船のボーイとしてフランスに行き、フランス語と航海術を身に付けた。その後帰国した力、ちょうどイギリスはチャールズ2世と議会との間の内乱の最中であったので、再びヨーロッパに渡り、オランダ、次いでパリで医学、解剖学を学んだ。パリでは、後に「リヴァイアサン」を著したホッブスと知り合い、またメルセンヌを中心としたサークルに加わってデカルト等著名な科学者と交わった。帰国後、郷里に帰り、父の仕事を助けるなどしていたが、1648年内乱に勝利した議会軍によって、オクスフォード大学の解剖学の教授に迎えられ、大学の改革に開わるとともに、音樂の教授を兼ねた。