財政健全化と金融政策

摘要

政府は、2015年6月30日に「経済財政運営と改革の基本方針2015」を閣議決定した。「骨太の方針」とも呼ばれる同方針は、副題に「経済再生なくして財政健全化なし」とある通り、財政健全化の手段が歳出削減に偏ることなく、歳入改革とデフレ脱却•経済再生を同時に進め、財政健全化と経済再生の「二兎を得る道」を目指している。今回の「骨太の方針」で新たに打ち出された「経済•財政再生計画」によると、今後3年間の一般歳出の増加幅を、過去3年間の実質的な増加幅である1.6兆円程度にとどめるという「目安」が設定されている。ただし、各年度の歳出改革については、16年度から20年度までの同計画の中間目標(18年度の基礎的財政収支(プライマリー•バランス=PB)赤字の対GDP比1%程度)の達成に向けて、一律ではなく柔軟に取り組むとしている。