福島原発震災：大自然に対する無謀な戦いに敗れた今,最善の戦後処理を急げ

摘要

無謀な挑戦がまねいた"敗北"日本列島における「地震と原子力発電所（原発）」の問題に関して，今回の「福島原発震災」をどう捉えるかによって，私たちの今後の歩み方は大きく変わってくる。ここで「福島原発震災」というのは，2011年う月11日の東北地方太平洋沖地震（地下の地震そのものの規模を示すマグニチュード［〟］9．0）によって生じた空前の地震動（揺れ）・津波災害と，東京電力（以下，東電）福島第一原子力発電所（以下，福島第一原発）の大事故・大規模放射能災害とが複合した，人類史上初めての深刻な災害のことである。それは，筆者1が「原発震災」という用語・概念を提唱したときに措いた最悪の様相ではないが，終息の見通しは立たず，大気・大地・内水・海・すべての生き物への放射能汚染が拡大し続けている.