蘇る使用済燃料プール事故の恐怖

摘要

2011年3月15日午前6時頃，福島第一原子力発電所4号機の原子炉建屋が爆発したとの情報が報道された。……4号機？原子炉が空っぽの4号機？使用済燃料の残留熱でプール水が沸騰して蒸発？しかしいくら何でも早過ぎる。さては，地震でプールのライナー(厚さ約6mmのステンレス鋼板の内張り)が裂け，漏れていたのか……。続くシナリオはこうである。水位がどんどん落ちていくうちに沸騰が始まり，濛々と立ち上る湯気。ついに燃料頂部が水面から頭を出す。なおも水位が低下していくうち，気中に露出した燃料は赤熱し，1000℃を超える。そして下から上昇してくる蒸気が，そのような高温となった被覆管のジルコニウム合金と化学反応を起こして水素を発生。水蒸気と水素の交じったガスか,勢いよく上昇して原子炉建屋最上階のスペースに溜まっていく。