宇宙は量子エンタングルメントからできている？

摘要

物理学の理論にはかならず二つの見方がある。一つはマクロな視点(巨視的な視点)であり，もう一つはミクロな視点(微視的な視点)である。例えば川の流れを見て，どの部分がどの程度の速度で流れているか，またその速度はどのような物理法則で計算できるのか，という問題を考えることはマクロな視点であり，そのような物理学の理論は流体力学と呼ばれている。逆に川の流れをミクロに見ると，水の分子からできていて，さらにずつと細かく見ると電子や陽子などの粒々が見えてくるわけである。このようなミク口な世界を支配する物理法則が量子論であり，物質を構成する粒子の最小単位を素粒子と呼ぶ。このように，ミクロなものをブロック遊びのように多数組み合わせてマクロな物体を作る作業は日常的にもありふれていることであるが，物理学でも大変重要である。