編集後記

摘要

◎通巻1001号を送り出すことができ，読者の皆様に感謝申し上げます。実は1937〜40年に毎年2回，41年には1回，増刊号が刊行されており，それらもカウントすると1010号になるのですが，刊行月で束ねると1001号です。この間，1944年11号，45年は2号のみ，46年8号，47年11号，2001年11号，その他は各月に刊行を続けてきました。◎本誌創刊時の主任編集者であった石原純は，1939年に『科学的精神』を著し次のように述べています(国立国会図書館ウェブサイト•近代デジタルライブラリーで閱覧可)。国防は必要だが不生産的な仕事である，国防は最小限度に留めて生産的な活動を発展させなければならない，と。また，政治情勢によって科学が影響を受ける例を，ドイツのユダヤ人研究者排斥を例に挙げつつ批判しています。石原は，本誌においても時流に抗する言論活動を行っていました。(石原の活動については，西尾成子著「科学ジャーナリズムの先駆者評伝石原純」(岩波書店)をご参照ください。)