第6回 290km先に照準を合わせる

摘要

「パーン，パーン，…」2006年12月9日の昼休み，いつものように高エネルギー加速器研究機構（KEK）の外周をジョギングしていたあるスタッフは，「電磁ホーン」の試験が快調に始まった音を聞いた．「外までよく響いているよ」この言葉で，長期試験が始まったばかりの電磁ホーンの周りには，工事用の防音シートがかぶせられた．電磁ホーンは，ニュートリノビームを人工的につくるのに欠かせない装置である．筒状，中空で，厚さ3mmの二重になったアルミ板でできている．