自然あふれる但馬の母なる川：円山川〜水害常龔地帯からの脱却と自然再生〜

摘要

下流区間に三角州地帯を持たないという独特の緩流河川である円山川は、兵庫県の北部、東西を京都府と鳥取県に挟まれた面積約2100km~1の旧但馬国の東部地域を流域としている。但馬地域の2/3弱を占めるその流域の約85%は山林であり、現在約14万人の人びとが暮らしている。旧但馬国は記紀などに記されているァメノヒボコの伝承のように、古代から渡来系の文化や技術が導入されて栄えてきた地域である。それとともに、沖野忠雄博士、赤木正雄博士、少し遡ると、田辺朔郎博士の岳父であり社会基盤整備の礎を築いた北垣国道男爵、という斯界の先駆者方の生地がある。それを知ってからは、流域を訪れると自ずと思い起こされて身が引き締まる。