交流電気機器に向けた高温超電導導体円筒巻線の大容量化に関する基礎検討

摘要

これまで，並列導体を用いて卷線を構成する際の転位方法が断片的に示され，電流分流特性や交流損失特性の検証を目的とした，さまざまな試作巻線による検証が行われてきた~(5)~8))。実際に，本稿で提示した転位パターンを用いた卷線が個別に試作され，均一な電流分流特性や付加的な交流損失が発生しないことが報告されている。しかしながら，高温超電導導体の大電流容量化の手段として，交流損失の増大を生じない転位並列導体の導入を促進するためには，望ましい転位パターンを明らかにし，任意の卷線形状に対応する技術を確立する必要があった。そのため本稿では，数値計算を用いて，任意の卷線形状に適応できる転位パターンについて示した。本研究成果により，高温超電導の機器応用が加速することを期待する。