第1章粒子の性質と測定: 1.10単一粒子の運動と拡散: 1.10.1粒子に働く流体力と運動方程式: 1.10.2沈降現象

摘要

流体中を運動する粒子には流体力が働く 。本項では球形粒子に働く流体力について述べる。なお，粒子に働く流体力に関しては広範で詳細な説明がなされた成書[1,2]が利用可能であり，詳細については参考にされることを薦める。流体力には，粒子に対する流体の相対速度の方向に働く流体抵抗（fluid drag),それに垂直な方向に働く揚力(lift force),流体中の圧力勾配による力（buoyancy force)，流体に対する相対回転に対する抵抗として働く粘性トルク（viscous torque)がある。流体中の圧力勾配による力は，静止流体中では浮力となる。