私の役に立った本

摘要

この本に出会った当時の自分にとって、その内容がとても鮮烈だったので、何度も読み直しました。そしてなぜもっと早く読まなかったのかと後悔しました。当時の考えでは実験のやり方さえ丁寧に学生に教えていれば、自然と研究に興味をもって研究者になりたいと思ってくれると考えていました。今から考えると、かなり自分勝手な考えだと反省しています。学生のことを考えて指導しているつもりだったのですが、「盗人にも五分の理を認める」という記述に驚きました(ことわざは「盗人にも三分の理」ですが、この本はこうなっています)。なにも学生が盗人だと言っているわけではありませんが、過去に世間を騒がせた犯罪者の多くは、自分が悪いとは思っていないという内容に驚かされました。つまり遅刻してくる学生や、レポートの期日を守らない学生の気持ちになると、彼らには全く悪気がないのです。