耐久性の新しい評価手法の試み(最終回): 神奈川大学大石研究室における研究を中心に 第8回 インピーダンス等誘電特性法による現場診断

摘要

本連載の最終回として，「インピーダンス等誘電特性法による現場診断」を採りあげる.今回は免震ゴムや橋梁支承ゴムなど，現場敷設中のゴム部材の非破壊式劣化診断法の開発を目標とした「Ⅰ.Ⅱ.誘電特性法の基礎研究」「Ⅲ.ゴムのオゾン劣化への応用の試み」を紹介する.敷設現場から試料を採取することは一般的に困難であり，現場で非破壊式に劣化を解析できる手法は極めて少ない，特に橋梁支承ゴムや免震ゴム等は大荷重を支えているため，現場からの試料採取は極めて困難であり，敷設状態のまま健全度を診断する方法の開発が強く要請された.そこで，非破壊方式で簡便で再現性の高い測定方法の探索を行った結果.現場測定に適した誘電特性に着眼した.誘電特性とは，誘電率(ε'),誘電損失(ε〃)，インピーダンス(Z)である.